九州産直クラブ 社長のblog

九州産直クラブ社長 吉田登志夫の公式ブログです。九州産直クラブの商品や生産者、九州の野菜、肉、魚などの内容や、イギリスのオーガニック市場、フェアトレードなど、様々な情報をお届けします。

ナチュラルナチュラル長丘本店 移転建設中

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連日打ち合せをする店舗スタッフ

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新長丘本店の完成予想図

ドリームグループ(オーガニック宅配:九州産直クラブ/オーガニックスーパー:ナチュラナチュラル/菊池農場/英国ロンドン:ナチュラナチュラルグ)代表の吉田登志夫です。

9月1日のナチュラナチュラル春日杜通り店のリニューアル&カフェ9(nine)オープンに続いて、「ナチュラナチュラル長丘本店」の移転新築準備が急ピッチで行われています。

ナチュラナチュラル長丘本店は30年前に「オーガニックハウス夢広場」として企業組合夢広場の元で誕生し、その後「マリナ通り店」「春日杜通り店」や「九州産直クラブ」を生み出す原動力になりました。その誕生を支えてくれたのは出資してくれた多くの生産者さんや消費者会員の方々でした。

もうすぐ、新しい「長丘本店」が生まれます。

楽しみです。

田植えとジャンボタニシ食害

ドリームグループ(オーガニック九州産直クラブ/ナチュラナチュラル/ロンドンナチュラルグループ)代表の吉田登志夫です。

菊池農場では農薬や化学肥料は勿論、有機肥料なども一切使わない自然農法による「菊池農場自然米」を栽培し、九州産直クラブ宅配やナチュラナチュラル店舗で会員さんにお届けしています。中には化学物質過敏症などのお子さんなどで「この自然米しか食べれない」と年間予約をして購入してくださる方もおられます。一部は酒米種を植えて、山鹿町の千代の園酒造さんで自然酒「菊池川」にしてもらってもいます。

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菊池農場の自然米田んぼ

その菊池農場自然米の田植えが今年も7月初めに無事完了してホッとしていたところに、その直後の大雨のせいで「苗のジャンボタニシ食害」に遭い、急遽、産直クラブスタッフ10人が7月18日土曜日早朝5時から福岡センターを出発し、タニシに食べられた箇所の苗の補植を行ないました。現地6時半着から昼までかかっておおよその補植が終了、菊池温泉に浸かって帰社、スタッフ達は心地よい疲れを感じていたようです。

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産直クラブスタッフによる補植作業

ジャンボタニシ外来種で学名は「スクミリンゴガイ」、用水路や水田周辺に繁殖し、西日本一帯の田植え直後の柔らかい稲を根こそぎ食い荒らして問題になっています。日本には食用として、1981年に東南アジア方面から輸入されてますが、全国に500カ所もの食用養殖場ができるなど、当初は新たな水産物として期待されていましたが、味が日本人好みではなかったことや広東住血線虫の感染源にもなることから、商品価値が上がることはなく、養殖場から逃げ出したり、廃棄されて野生化した貝が繁殖し、田植え直後の稲を食い荒らすようになりました。以前は冬の寒さで死んでしまってましたが、温暖化の影響で越冬する個体が増え、被害が拡大しています。昨今のゲリラ豪雨などの多量の雨水は、貝の移動手段ともなり、水路で育った大型の貝が田んぼに流れ込んでくるケースが増え、今回の食害被害も大雨が影響しています。貝は水中でしか稲を食べることができないので、貝が稲に寄りかかれないように、田植え直後はできる限り浅い水管理が必要ですが、大雨による増水は貝の活動をより活発化させています。田植え後2〜3週間ほどたつと苗は固くしっかりとしてくるので貝に食べられる心配はなくなります。逆にその頃になると貝は雑草を食べてくれるの、一時は農薬の代わりとして重宝された頃もあります。しかし、今は越冬して初期の苗を食べてしまうので、ジャンボタニシを駆除するために「メタアルデヒド粒剤」、「チオシクラム粒剤」、「燐酸第二鉄粒剤」などの農薬がドローンで空中散布されたりもして、これも困ったことです。ジャンボタニシの卵は、鮮やかなピンク色で初めて見た方は一様に驚きますが、自然界ではピンクは警告色の意味合いもあり、卵には毒もあるので鳥などに捕食されないようです。

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ジャンボタニシ

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ジャンボタニシの卵

農薬を使わない菊池農場の自然農法では、当面はジャンボタニシとの闘いは続きそうです。

「死と生と」

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帝王切開手術

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子牛の誕生

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帝王切開手術後の母牛

ドリームグループ(オーガニック九州産直クラブ/ナチュラナチュラル/ロンドンナチュラルグループ)代表の吉田登志夫です。

菊池農場にあか牛飼育週末当番に入るようになってから半年が過ぎますが、農場ではいろんな「生と死」に出会います。先月は「死産」と「誕生」を同時に立ち会いました。

5月出産予定の母牛2頭を分娩用枠に入れてましたが、そのうちの1頭が「早朝に出産したようだけど子牛が見当たらない」との知らせが入り、急ぎ駆けつけました。見当たらないので獣医さんに電話して「新生子牛は母乳なしで何日生きられるか?」を尋ねたところ「2日は大丈夫」との答え、そして「もしかして、まだお腹の中に居るのでは」と急遽往診してくださいました。果たして、牛赤子はまだ、母牛のお腹から出てきておらず、帝王切開しましたが残念ながら死産でした。その帝王切開手術の最中に横のもう一頭の母牛のお産が始まり、見事に子牛を出産しました。出産した母牛は生まれた赤子牛をペロペロ舐めて、数分後には立ち上がらせ、そして初乳を飲ませました。

死産の落胆と出産の喜びを同時に味合わせてもらいました。

これからも牛達にいろんな事を学ばせてもらうことと思います。

できうる限り最高の環境をつくることが、「牛への感謝と尊厳の証」と考え、これからもあか牛飼育に真摯に取り組んでいきたいと思います。

 

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柵で囲われた「走る豚」圃場

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ドリームグループ(オーガニック九州産直クラブ/ナチュラナチュラル/ロンドンナチュラルグループ)代表の吉田登志夫です。

「走る豚」武藤さん一家は『日本政府の豚熱(コレラ)対策要請』で大変。

日本政府は昨年、「豚熱(コレラ)と新型アフリカ豚熱(コレラ)の対策要請ー豚飼育舎を柵で囲め」を出しました。菊池の中山間地で放牧による元気な豚飼育を続けている武藤さん一家は、この政府要請により大きな負担を強いられることになります。要請には「ウイルスを持込むイノシシとの接触を防ぐ為に飼育場周辺を柵で囲うよう」とありますが、豚小屋(工場)に閉じ込めて肥育する一般の飼育と違って、「走る豚」は約300坪・15頭ずつのグループ圃場が山間に30箇所あり、全部あわせると9000坪(ドーム球場2つが入るくらい)の旧段々畑や栗・梅・ドングリ林の中を圃場毎に電柵で囲って放し飼いしています。この広い圃場をすべて鉄柵でさらに取り囲めという政府要請は、走る豚飼育方法に大きな負担を強います。結局、武藤さん一家は何度も行政を掛け合って、圃場を大きく2地域に区切り、その周りを鉄柵で囲むという方法で「政府要請」と折り合いをつけました。

産直クラブと走る豚:武藤さん一家との出会いは17年前のクラブ創立期に遡ります。菊池のシリカ酪農法で牛乳を産出する吉井さんと知り合い、その人繋がりで武藤さん一家と「走る豚」に出会いました。畑で走っている豚を初めて見たときは衝撃で、即座に「走る豚」のネーミングが浮かびました。それまでは「ギュウギュウ詰の狭いゲージの中で育つ豚」しか見た事がなかった私たちは「この健康な豚飼育環境こそが、産直クラブが目指す自然で健康な食べものづくりの象徴だ」と確信し、食べてみると「脂身が美味しく、イベリコ豚を超える最高の味」であることに2度ビックリしました。「走る豚」は自然の中を自由に走り回り、菊池の芋などの農産物や季節・場所によっては山のドングリ・栗なども食べ、獣匂い消しに炭を餌に混ぜ、更にレンゲ水(活性水)を飲み水にして健康に育てられている世界でも希少な豚です。これだけの環境では美味しいのは当然だけど、武藤さん一家の努力は大変なものです。

(ちなみにアフリカ豚熱(コレラ)は「201810月に北京から新千歳空港に到着した旅客の携帯品の豚肉ソーセージ(1.5kg)に遺伝子検査(PCR)を実施したところ陽性が出たということ。新型であるアフリカ豚熱(コレラ)はアジア・韓国まで広がってきており日本侵入は時間の問題だそうで、これはワクチン開発ができてなく9割死亡率だそうです。武藤カツノリさんは「走る豚は抵抗力あり、ウイルスが来ても発症しない自信はあるが、感染発覚した時点で法律的にアウト(全殺処分)」だと述べられていました。人間界の新型コロナ感染とよく似ている構造ですね。)

日本政府/農水省は「柵で囲う要請」の次には、ウィルス感染防止策として「放牧禁止令」を出そうと準備しています。自然界から来たウィルス感染防止の為に、最も自然な豚飼育を禁止するなどとんでもない政策です。今のところこの「放牧禁止令」は有機農業者などの反対によって一旦、ストップとなっているようですが、農業の工業化を目指す日本政府のやることには注意&監視が必要です。

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武藤さん一家