九州産直クラブ 社長のblog

九州産直クラブ社長 吉田登志夫の公式ブログです。九州産直クラブの商品や生産者、九州の野菜、肉、魚などの内容や、イギリスのオーガニック市場、フェアトレードなど、様々な情報をお届けします。

海外鍼灸師 ロンドン地下鉄 村上春樹

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オーガニック九州産直クラブ社長の吉田登志夫です。

4月22日からロンドンに入っています。ナチュラルクリニックの鍼灸師の人事問題処理での渡英です。海外、特にロンドンでの鍼灸師の雇用が労働ビザの関係で年々、難しくなってきています。

日本を発つときは初夏の兆しでしたが、ロンドンはまだ初春のようでした。飛行機を降りるとひんやりとした空気が漂ってき、空港の建物からでると「寒い」と感じる気温でした。想定して黒の皮ジャンを着用していきましたが、下は長袖のTシャツ1枚で冷えてしまいました。今回は荷物が少なかったので迎えは呼ばずに、空港から地下鉄でピカデリーのクリニックへ向かいました。いつも乗るロンドン地下鉄ですが、今回は「乗った感覚」が違いました。

世界はこの15年で全く違う質の世界に変わってしまいました。2001年9月11日のアメリカ同時多発「テロ」でイスラム原理主義の人々の台頭が見え、2003年3月20日のイラク進攻でアラブと欧米社会の出口のない混沌が始まり、2008年のリーマンショックでアメリカの世界経済一極支配が終焉と世界の多極化に入り、2010年からの一連の「アラブの春」でアラブ(虚国境)社会の崩壊が始まり、2012年欧米によるリビア爆撃で欧米とアラブ世界のついたてに穴が空き、アメリカが生み出してしまった2014年の「イスラム国建国宣言」で欧米圏内での「根深き暴力拡散状況」に突入したようです。

昨年のロンドンと今年のロンドンではあきらかに空気の質が変わってしまったように感じます。あの2001年9.11アメリカ同時多発『テロ』事件や2005年7.7ロンドン地下鉄同時爆破事件が発生したとき、僕はロンドンに滞在していましたが、まだ、さほど危険な感じはしませんでした。が、欧米による一連のアフガン・イラク爆撃からリビア・シリア爆撃を経過した後の今のロンドンでは、いつ、どこで「混乱」が発生しても「当然あること」と思えてしまいます。世界のどこで動いていてても、あらゆるリスクは必ず存在します。でも、リスクはできるだけ低いほうがいい。

アフガン、イラクから、シリア、リビアから数万の「難民」と言われる人々が続々と粗末な船に乗り込んでヨーロッパ大陸を目指している事態にヨーロッパは悲鳴をあげていますが、それは歴史的にそういう原因をつくってきたヨーロッパが引き受けなければいけない事でしょう。

今のヨーロッパは、村上春樹が描くところの、「月が2つある世界」に入ってしまったようです。「本当の世界」と「少しずれていってしまっている世界」、日本もじわじわと「ずれた世界」にひきこまれていきつつあるような気がします。