九州産直クラブ 社長のblog

九州産直クラブ社長 吉田登志夫の公式ブログです。九州産直クラブの商品や生産者、九州の野菜、肉、魚などの内容や、イギリスのオーガニック市場、フェアトレードなど、様々な情報をお届けします。

フィリピン:国際フードエキスポ フェアトレードの友人たち

エキスポのレセプションf:id:sancyoku:20150523180618j:plainネグロス島から来たマスコバド糖の生産者グループ この春に日本のオーガニック認証を取りました。

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オーガニックハウス夢広場&九州産直クラブ社長の吉田登志夫です。

5月21日から24日までフィリピン政府の招待でマニラで開催れたIFEXフィリピン国際フードエキスポに行ってきました。産直グループの交易会社である㈱ジェイネットはこの20年にわたってフィリピンの農業グループやフェアトレード組織との交易を続けてきましたが、その実績から今回フィリピン政府から招待をいただきました。

フィリピンは人口約一億人、約7000の島で成り立っており、言葉は英語・タガログ語が共用で島々では約175もの言語が使われています。約300年間スペイン、その後50年間はアメリカ、さらに3年半は日本に植民地支配され続け、独自の文化を喪失させられた側面が強くあります。その植民地時代を通して宗主国の大資本やフィリピン財閥ファミリーへの土地の搾取・集約化が進み、一部の大土地所有者と大量の土地を持たない農民(小作農業労働者)が生まれています。第2次大戦後、農民&労働者による農地解放闘争が続けられましたがいまだに農地は農民に解放されず、大土地所有制を利用して先進国により安くより多く輸出するためのプランテーションが設立され、バナナ、サトウキビやココナツなどが輸出されています。輸出作物の買取価格は非常に低く、また小作人は販売額の半分以上を地主に納めなければならない不平等なしくみがあり、必要経費を引くと小作人の手元に残る現金はほとんどありません。そこで小作人は地主に借金を繰り返し、その土地に縛り付けられ、主従関係が出来上がり、立ち場の弱い農民は不満があっても仲買人や地主には意見を伝えることすらできません。そのような立場の弱い農民(小作人)が組合を作り、買い手と直接適正価格で交易をする仕組みを「フェアトレード」という形で私たちはこの20年間続けてきました。

首都マニラには高層ビルが立ち並び、世界でも有数の富豪や大財閥がいる一方で、国民の約半数が1日2ドル以下で暮らす貧困層と言われ、国民の10人に3人はいまだに小学校すら卒業できず、フィリピンは世界で最も貧富の差が大きい国の一つです。

エキスポには、島々から小さな生産者グループのいくつかも参加していました。私たちの交易が、そのような貧困から抜け出す方策の一助となればと願います。