貧困研究会 九州大学 フードバンク 子どもの貧困
九州大学構内の様子
ナチュラルナチュラル&九州産直クラブ社長の吉田登志夫です。
12月12-13の土日は九州大学で行われた貧困研究会に行ってきました。大学の研究者たちが格差社会の到来の中で貧困の問題をどう解決するかを研究されています。僕たちは安全な食べものの産直流通を拡げていく仕事をしていますが、そのミッションには「世界中の人々が飢えることなく平和に暮らせる社会を目指す」という項目もあります。食べ物が公平にいきわたる社会は「安全な食べものの流通を拡げる仕事」の先に見据える課題でもあると思います。いわゆるオーガニック&ナチュラル食材の業界はこれまではアッパーミドル階層に依拠して伸びてきた側面がありますが、ミドル階層の喪失が現象化するなかでこれから僕たちがどのような性格の事業をつくっていくかをかんがえるとき、格差社会からくる貧困(特になんの責任もない「こどもの貧困」)の問題も避けて通れないものであると思っています。ktシンポジウムでは「巨大な都市の中に極端な健康格差が現れている」と提起され、「貨幣が食べものに転換され、食べ物が栄養素に転換され、栄養素が健康に転換される」「所得格差が食糧格差に転換され、健康格差の決定要因となる」などが語られていました。また、九大の浦川さんから「時間格差」の概念が説明され、『母子家庭の母親は可処分時間が極端に少ない』と報告されました。 以下、研究会の内容を紹介します
12月12日
シンポジウム(文系地区6番 中講義室)
共通論題:地域が抱える健康・貧困リスク問題への学術的視点
○報告 コーディネーター:浦川邦夫(九州大学准教授)
「健康リスク・貧困リスクの社会格差と地域格差」中谷友樹(立命館大学教授)
「地域のソーシャル・キャピタルと地域住民の健康」市田行信(政策基礎研究所(EBP)
「リスク集積地域における貧困・剥奪・不健康と社会資源による共助的支援の展開」
福原宏幸(大阪市立大学教授)
12月13日
○分科会・自由論題(文系地区8番 21世紀交流プラザ・共通講義室1)
「多次元の貧困が若年層の主観的厚生に与える影響: JSHINEデータによる分析」
Wei WANG(九州大学経済学府)
「外国人労働者のソーシャル・キャピタルと健康・生産性: 結合型SCと橋渡し型SCの比較」浦川邦夫(九州大学) Carl PAGE (九州大学経済学府)
「様々な貧困指標による貧困の測定:2000年代以降の貧困の推移」 徳冨智哉
(九州大学経済学府)
○分科会:フードバンクが生活困窮者支援に果たす役割:日本とフランスの 事例
「フードバンクの理論・歴史的背景」角崎洋平(佛教大学・学振特別研究員)
「日本におけるフードバンク活動」佐藤順子(佛教大学)
「フランスにおけるフードバンク活動」小関隆志(明治大学)
「日本におけるフードバンク活動の課題」佐藤順子(佛教大学)